TVアニメ『サクラクエスト』の聖地を訪ねる富山一人旅行記

みなさん、「サクラクエスト」という2017年に制作されたP.A.WORKSのオリジナルTVアニメをご存じでしょうか?「花咲くいろは」「SHIROBAKO」に続くお仕事シリーズ第3弾の位置付けではあるのですが、dアニメストアなどの見放題サービスでの配信が無く、他のお仕事シリーズ2作品と比べるとマイナーな存在と言えます。

そんなサクラクエスト、何か面白いアニメが無いか探していた時に、このキービジュアルが目に留まり興味を持ったのが知ったきっかけです。だって、畑の中に、パンプスが片足脱げたスーツ姿の、王冠をかぶっているピンク髪の「普通じゃない」キャラがいるなんてめちゃくちゃカオスじゃないですか?

それで試しに1話を観てみたら大正解。「こういうアニメを求めてたんだよ!」と素直に思いました。

サクラクエストは作品的に地味なイメージがありますが、結構現実的な問題点/課題が描かれており、その分他のお仕事シリーズと比較してリアルさが見れた作品だと思いました。

例えば、他のお仕事シリーズでは主要人物同士の対立(けんかとか)は描かれていますが、仕事に対する価値観の違いからくる対立ってのはあまり描かれていなかったと思います。サクラクエストはそのあたりが結構リアルに描かれていて(特に木彫りの話やデマンドバスの話で)毎回いろいりと考えさせられました。

http://blog.livedoor.jp/nadukari/archives/4373369.html

サクラクエストの聖地巡礼記事を上げている方のブログからの引用ですが、自分がサクラクエストに抱いている印象もこの通りです。個性的な主人公・ヒロイン達を中心に物語が繰り広げられる、というアニメ(創作)の基本的な要素はもちろんありながら、その内容が結構リアルなため、のめりこんでしまいました。最終回観終わった後は1週間ぐらいサクラクエストロスに陥るほどでした。(個人的に最終回ロスはAngel Beats!以来。まさかのPA繋がり!?)

というのが実は2021年5月の話で、絶対に聖地に行こうとは思っていたのですがなかなかタイミングを見つけられず、その約1年後の2022年4月にサクラクエスト2週目を観たのと、もうすぐ20歳の誕生日を迎えるということで10代の思い出を作れるのも残りわずか、せっかくなんだからどっか行こうということでサクラクエストの舞台である富山県南砺市を訪ねることにしました。

オフシーズンは高速バスが東京→富山で片道3000円ぐらいなのですが、今回はGW中ということもあり片道約7000円…!自家用車や新幹線に比べたら安いですが、オフシーズンの相場を知っているだけに高く感じてしまう…                 

魔の山へ

人生で初めて乗った夜行バスから富山駅で降り、あいの風とやま鉄道でまずは高岡駅へ向かいます。JRの富山駅とあいの風とやま鉄道の富山駅で分かれてるんですね。JRの藤沢駅と小田急の藤沢駅みたい。

せっかくなのでAinokaze ICOCAを作ってみました。

高岡駅に到着したら、今度はJR城端線に乗って城端駅まで行きます。JRだからICカード使えるんじゃない?と思ってたら全然そんなことありませんでした。バリバリ切符でした。(さっきICOCA作った意味…)

しかも自動改札じゃなくて駅員さんに切符の消印押してもらうタイプでした。切符買うのなんてめちゃくちゃ久しぶりなのに、自動改札以外使ったことなかったのでまずここで普段とのギャップを感じました。あとJR城端線は電車ではなく気動車ですね。

調べてみたところ、気動車って「低速」と「直結」の2速MTらしいですよ。

しかも更に、列車に乗るときに整理券を取って、降りるときに先頭車両で直接料金を払うというローカル線あるあるなシステムも初めてだったのでとても困惑しましたが、高岡→城端区間の場合、どちらも有人駅なので、事前に駅で切符買っておいて降りた駅で駅員さんに切符回収してもらえばOKでした。

約1時間で城端駅に到着。城端駅も作中でよく登場する聖地の1つです。

今回、そのまま「桜ヶ池」に向かいます。というのも、サクラクエストという名の通り、桜ヶ池が物語の舞台の中心となっているため、頻繁に作中に登場するので実際はどんな感じなのか気になっていたからです。城端駅からは約5km。徒歩1時間の距離です。

市営バスも出ていますが、自分の足で歩いて南砺市の風景を身をもって感じたかったので徒歩で行くことにしました。

と言いながらも天気はあいにくの雨!内心「ふざけんなよーー」と思いながらも、仕方ないので傘をさして歩きます。雨に降られるのもそうですが、雨のせいで寒かったのでそれがきつかったです。もう少し厚着をして来ればよかった。

桜ヶ池に到着したけれど!

もう最悪です。桜ヶ池に移動する間の1時間も雨の中歩いていて服が既に濡れてるし、桜ヶ池の周り一周約3km歩いて更に濡れたし、もう寒いしで本気で天気の神を恨みました。幸いにも、開放されてる休憩所っぽいのがあったので救われましたが。

作中によく出てくる橋もなぜか封鎖されてたし…

生憎の天気で流石にヘコみましたが、聖地に来た気持ちを味わうために、新調したばかりのイヤホンで第1クールOPの「Morning Glory」などを聴きました。

桜クリエ

桜ヶ池からほど近い場所に、P.A.WORKSの本社に横並びする形で南砺市クリエイタープラザ(桜クリエ)という施設が存在し、そこにサクラクエストの展示があったり、カフェがあることは事前に情報を得ていたので、雨宿りがてら行ってみることに。

P.A.WORKS本社です。日曜日だったせいか人の気配は全くありませんでしたが、ここでPAの数々の名作が生み出されてきたと考えると感慨深いですよねー。神様になった日の放送直前特番とかでPAの富山本社(この場所)がクローズアップされてたのを思い出しました。

そしてここが桜クリエです。サクラクエストの展示などが1階、CAFÉ TRiANというカフェが2階にあります。

まずは前々から見たいと思っていたサクラクエストの展示を見に1階部分へ。王冠やかぶらの杖といったプロップが置いてあったり、

丑松会長がいたり、

他にも、SHIROBAKOさながらにアニメーターのお仕事の各セクションを解説していくコーナーもありました!

展示も期待していたものが見られたのでお次は2階にあるCAFÉ TRiANへ。

手軽に食べられそうなミックスピザをセレクト。正直値段は張りますが、ちゃんとそれに見合う料理で美味しかったです。

桜ヶ池にリトライ

雨雲レーダーを見ても雨はあと2、30分で止むような予報だったし、せっかくここまで来たんだからと諦めきれずにもう一度桜ヶ池に行くことに。

するとなんと急に晴れてきました。

ということで、晴れてるうちに9話に出てくるシーンと同じ構図で写真を撮ってみました。作中で描かれる桜ヶ池は結構改変が多く、現実のものはあまり似ていませんでした。

晴れてきたおかげで桜ヶ池公園の芝生の緑も映えます。この公園、長めのローラー滑り台があったりと、遊具が多いので凄いですね。

それはそうと、雨上がりで日が出てきた、ということは虹が出るかも!?と思っていたのですが、そんな期待虚しく10分ぐらいでまた曇り始めたのと、時間的にも良い頃合いだったので城端駅へ引き返すことにしました。ばいばい桜ヶ池。

富山ブラックラーメンを食す

桜ヶ池から城端駅まで徒歩で1時間、さらに城端駅から高岡駅まで約1時間、時刻は18時になりました。そろそろお腹も減ってきたころだったので、夕飯に気になっていた富山ブラックラーメンを食べてみることに。富山ブラックラーメンと言っても味付けなどが店によって千差万別なので、レビューを見てよさげな店に行ってみることにしました。

今回足を運んだのは「らーめん誠や」さん。結構レビュー良かったです。高岡駅からは25~30分程歩きます。

富山ブラックラーメンって、悪く言うと味が濃くて単調、そんなイメージを勝手に抱いていたのですがそんなことはありませんでした。醤油ベースではあるんだけれど、そこにこしょうやゆず?やお酢も若干入ってるのかな?と言った感じで何だかクセになる味でした。想像の上を行く味でとても美味しかったです。

食後の風呂!

一日中歩いたことだし、一応食事はしているものの雨のせいで体は冷えてるし、ということでスーパー銭湯に行くことにしました。多分温泉もあるのかもしれませんが、内装の雰囲気重視で元から行こうと決めていたスーパー銭湯があったのでそこに行くことにしました。

その名も「陽だまりの湯」。公式サイトを見てもらうとわかると思うのですが、内装の雰囲気がめっちゃいいです。そのせいか結構混んでました。外風呂コーナーに大きいテレビがあるのですが、ちょうどイッテQが放送中で、1時間フルで湯に浸かったり出たりしながら観ちゃいました。最高ですね。

宿泊

食事、風呂、と来たら次に来るのは宿泊です。今回は快活に泊まることにしました。ブースじゃなくて初めて鍵付完全個室にしてみました。やっぱり防音で完全な仕切りがあるだけでもかなり快適ですね。

と言いつつ、隣の人のいびきが響いてきてストレスでした。防音とは。

思い出がなくならない内に記事に認めたいので眠いのを我慢しながらここまでの分を執筆してます。

一日中寒かったのでさすがに快活ではそんな思いしないだろうと思っていたら、朝方寒くて起きました()

ブースの方は良い感じの室温なのになぜか鍵付完全個室は寒い。

2日目、氷見市へ

2日目の今日は昨日と打って変わって天気は晴れ。相変わらず寒いのは変わりませんが。

昨日は内陸の南砺市を訪ねましたが、今日は、富山湾に面する氷見市を訪ねます。

氷見駅から約20分歩いたところに「ひみの海探検館」という施設があり、そこで今回氷見を訪れた目的でもある、「氷見沖クルージング」の受付があります。大人は1回1200円です。PayPayも使えるよ。

冬期は休業で、今年は5月1日(昨日)から営業開始だったのですが、昨日は大雨で終日欠便だったらしく、実質今日から営業開始。しかも、始発の9時便は点検で欠便、ということで自分が乗船した10時便が今年初のクルージングということになりました。

例の知床遊覧船の事故の関係で検査が入ったらしく、それが長引いて20分遅れでの出発となりました。

クルージング中、船から巻かれるエサ(かっぱえびせん)目当てにすごい数の鳥たちが追ってきます。

富山湾の景色もさることながら、鳥たちがずっと並走してくることに大興奮でした。

クルージングの終盤に青木美香子の「ふるさとのはなしをしよう」が船体から流れていて、いい曲だなと思い、クルージング終了後この曲を聴きながら富山湾を眺めて物思いに耽ていました。

道の駅「氷見」と山々。

富山湾も満喫できたので、富山駅に戻るために高岡駅へ。今回の旅行中何度高岡駅を経由したことか…!

そんな高岡駅ともおさらばです。

環水公園

夜行バスの発車時刻まで約8時間ぐらいあるので富山駅周辺を散策してみます。まずは、富山駅からほど近い場所にある環水公園(富岩運河環水公園)

世界一美しいと評されているスタバがあるということだったので気になって行ってみました。

やはり寒いので抹茶ティーラテを注文。店内がすごい混んでました。注文まで15分ぐらい並んで更に受取まで20分ぐらい並んだ気がします。自分がスタバで何か頼むときって大体Grandeにするのですが、半分ぐらいまで飲んだところでだいたい毎回「Tallで良かったかもしれねえ」と思うんですよねw

引用元:https://acafe.msc.sony.jp/photo/detail/item/000029040514eb

このスタバ、花見シーズンに行くと夜桜とのコラボレーションがすごい映えます。これは「世界一美しい」と評されるだけありますよね。

富山城

そんなこんなでまだ富山を発つ時間までは余裕があるので、お次は富山駅から近いということで富山城を見に行ってきました。

街なかに普通に鎮座しているので、ビルとの2ショットなんかも撮れちゃって新鮮ですw

2日目の夕食!

昨日に引き続き今日の夕食も富山ブラックラーメンです。店によってどれぐらい味が変わるのか気になったので、今回は「西町大喜」さんのとやマルシェ店に行ってみました。

相変わらずすごい行列で、並び始めてから入店までに20分ぐらい待ちましたし、自分の5人ぐらい後ろで並んでた人のところで麺が尽きてしまって販売停止してました。タイミング良かったです。

味はと言うと、昨日食べた「らーめん誠や」さんに比べると比較的濃い目の味で、確かに、富山ブラックラーメンの元祖と謳っているだけの説得力がありました。

夜の環水公園

まだ出発までの時間はあるので、またまた環水公園へ行ってみました。

夜の環水公園がライトアップされていることは知っていたのですが、やっぱり実物を目の当たりにすると圧巻の景色ですね。

午後9時半までは水門の展望デッキに行けます。前は、水門同士を糸電話で繋げて会話できたそうですが、コロナの影響で無くなってました。

いい感じに撮れたやつ。

右側で光ってるのがスタバです。誰かがギターで弾き語りしてたんですけど普通に歌うまかったなー。小雨降ってきても歌い続けてましたw

さらば富山

もうバス出発の時間も短いので富山駅へ移動。そのままバス乗車、で朝気づいたら東京駅にいました。

夜行バスもそうですが、北陸に降り立つのも初めてだったし、実物の日本海を見るのも初めてだったし、車内で精算する列車に乗ったのも初めて、と初めてだらけで良い刺激になりました。

富山は道が広い割に交通量が少ない印象を受けたので、今度は自分の車で行ってみたいななんて思っていますが、交通費が今回の倍かかるし、自分で7時間ぐらい運転しないといけないのでちょっと悩んじゃいますねw

でも南砺市のあの田舎道を車で走りたい!というのはすごいあります。

あと今回、1日目がすごい雨で綺麗な桜ヶ池が見れなかったので、今度行くならお花見シーズンの晴れの日に行ければ良いなと思ってます。

南砺市・氷見市・高岡市・富山市を巡った今回の一人旅行、10代最後のイベントとしてはとても満足行くものになりました。

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